負けるのが嫌で頑張ったり、負けないよう努力することを思えば、負けず嫌いは長所といえます。だけど負けず嫌いが問題になるのは負けそうになると勝負を投げ出したり、負けたら怒ったり泣いたりと癇癪を起こしたりする時。こんな態度には親も困ってしまいますよね。

その場しのぎについやってしまうのがわざと負けたり、叱ったりすることでしょう。その場は収まりますが、同じことが繰り返されれば親は疲れてしまいますし、お子さんのためにもなりません。

そこで一つとても有効な方法をご紹介します。 それはコーチングで使われる「リフレーミング」という手法です。リフレーミングは同じ物事を違った視点から見ることで感じ方や行動を変えることです。繰り返し実践することで習慣とする方法で、お子さん自身が自分で自分をコントロールできるようになる手法でもあります。

負けず嫌いが癇癪を起こすのは「負ける=劣っている」という見方が心を縛っているからです。誰だって自分が「ダメ」と思う時には泣いたり怒りたくもなります。ですがもしそれが「負ける=チャンス」だとしたらどうでしょうか?負けたのには理由があります。「どうして負けたのか?」それを考えることで次へつなげる。良かったのはどこか、変えるのはどこか、どんな練習をすれば上達するのかを考えるチャンスだとしたらどうでしょうか?「劣っている」から「成長のチャンス」と視点を変えるだけで感じ方も行動も違ってきます。悔しさや残念な気持ちがあるのは当たり前。大切なのはそんな感情から子ども守るのではなく、子どもが自分で気持ちをコントロールできるようにしてあげることです。そのためにも「よく出来た所はどこ?」「次はどうすればいい?」を習慣にしましょう。

 

認知能力主義の教育では点数や結果が重視されるからこそ、どうしても勝負=優劣を争う、となってしまいます。でも心の強さを育む非認知能力教育の現場では結果よりもそのプロセスが重視されます。勝った、負けたという結果よりも大切なのは、そこに行くまでのプロセスを楽しみ結果を次につなげることです。そうして建設的な思考と心のプロセスを経験することで、相手への共感力と社会性が芽生え、自制心が癇癪を鎮めてくれます。

 

ゲームもスポーツも勉強も誰かに勝つためにやるのではなく、自分の中のプロセス、そしてパッションを楽しむためにやる。そんな環境を作ることが負けず嫌いのお子さんの可能性を最大に引き出す鍵です。

 


▼教えてくれたのはボーク重子さん

ライフコーチ。福島県出身、米・ワシントン DC 在住。30歳の誕生日前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・ インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強のために訪れた南仏の語学学校で、アメリカ人である現在の夫と出会う。1998年渡米、出産。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。 2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に 「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。また、一人娘スカイさんは2017年「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝。多くのメディアに取りあげられた。現在は全米・日本各地で、子育て・キャリア構築・ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)などがある。

 

著書:パッションの見つけ方

子どもの非認知能力を効果的に育む鍵はパッション。ママのパッションが更にお子さんの非認知能力を高めます。(小学館)

 

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