忙しい朝、ついつい「早くして!」なんて言ったり、手伝ってしまったりしますが、それは勿体無い!なぜなら朝の支度はお子さんが生きていく上でとても大切な能力を育む素晴らしい機会だからです。その能力とは目標を達成するために自分でどうすればいいかを考え、行動し結果にたどり着く能力、「実行機能」です。
これは勉強や仕事でも必須の能力で「自分からやる子」の鍵であると思っています。朝の支度は起きてから保育園や学校に着くまでに必要な作業がたくさんあり、しかも毎日繰り返されるから実行機能を鍛えるには最高の機会なのです。何をどの順番でやるかを考え実行し結果を出す。鍛えれば鍛えるほど朝の支度はスムーズになるし、お子さんはここで学んだ作業、手順、思考法をいろんなことに応用して自分からやれる子になっていくでしょう。 手伝ってしまうとお子さんの力を伸ばす素晴らしい機会を奪ってしまうことになります。
お子さんの実行機能を鍛え忙しい朝をストレスフリーな朝にするための方法をご紹介します。
子ども自らが早くやれる環境の鍵は「見える化」「楽しい」「簡単」
キーワードは「見える化」「楽しい」「簡単」の3つ。 お子さんに「どうしてこの作業が必要なのか」「どうしてこの順番なのか」を考えさせ「見える化」します。そこに「楽しい」「簡単」という要素を取り入れることでお子さんが主体性を発揮し自ら朝の作業に取り掛かり、早く出来るような環境を作り出します。
まずお子さんに朝起きてから保育園や学校に行くまでに必要な作業の数々・順番・理由を説明します。次に各作業を書いた表を作り、起きてから保育園に行くまでのプロセスを「見える化」します。ここで「楽しい」の出番!各作業に お子さんの好きなキャラクターの名前をつけたり、一つの作業が終わるたびにシールを貼ったりします。また毎日どのくらいの時間で終えることができたかを記録しお子さんが自分と競争するようにします。各作業を「簡単」にすることも大切。例えば朝食はスプーンやお箸を使わなくてもいいようにおにぎりやサンドイッチにしたり、熱い飲み物の代わりに冷たいものにしたり。洋服はできるだけお子さんが着たいもので、着替えるのが簡単なものにします。 最後に大切なのはお子さんが作業をやり終えるのに必要な時間に沿って朝起こすということです。
3つのキーワードで毎朝繰り返す朝の支度は、お子さんの実行機能を確実に育むことでしょう。
▼教えてくれたのはボーク重子さん
ライフコーチ。福島県出身、米・ワシントン DC 在住。30歳の誕生日前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・ インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強のために訪れた南仏の語学学校で、アメリカ人である現在の夫と出会う。1998年渡米、出産。子育てと並行して自身のキャリアも積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。 2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)と共に 「ワシントンの美しい25人」のひとりとして紹介される。また、一人娘スカイさんは2017年「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝。多くのメディアに取りあげられた。現在は全米・日本各地で、子育て・キャリア構築・ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)などがある。
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