《特集》家族の笑顔を守る
ママの食事と健康管理
子どもの健康は気になるけど、自分のことは二の次…。そんなママいませんか? ママの健康意識が家族の元気を支えます。自らも働きながら子育てをしてきた金城学院大学の丸山智美先生に、ワーキングママのための食事と健康管理のポイントを聞きました。
<アドバイザー>
金城学院大学 生活環境学部 食環境栄養学科 教授 丸山 智美 先生
副菜を取り入れたバランス良い食事を
日ごろ心掛けていますか?厚生労働省が公表した「国民健康・栄養調査の結果の概要( 平成二十七年)」によると、30~40代の女性の約3割が野菜や海藻、きのこ類を主材料とした「副菜」を組み合わせた食事をあまり取れていない傾向にあることが分かりました。健康な体を支えるために必要なビタミンやミネラル、食物繊維は副菜を食べることにより補われています。健康志向が高まる今日ではよく聞きますよね。働く女性にとって日常的な健康維持が大切な理由はほかにもあります。それが、将来の出産と更年期のヘルスケア。丸山先生は自身のライフステージに合わせた食の研究を行ってきたスペシャリスト。「まずは自分自身の食事や生活習慣の見直しをしてみましょう」とアドバイスします。
将来の出産、更年期に備える
第二子、第三子の出産を予定しているなら、妊娠して赤ちゃんを育てられる体づくりが大切。「忙しすぎて不眠や飲酒の量が増えたり、ストレス過多に。女性ホルモンの乱れにも繋がってしまいます。赤ちゃんを授ることを考え、飲酒の量を減らし、バランスが取れた食事を食べるよう心がけましょう」
「更年期症状の出現」について、丸山先生らの調査(* 1)から、日本人においては、カルシウム、ビタミンC、コレステロールの摂取量が更年期障害の発症に関与している可能性が分かりました。「ミネラルとビタミン不足、コレステロールの過剰摂取が関係していると推測できる結果でした。コレステロールは、洋菓子などに含まれ、ストレスを抱えていると摂取量が増える傾向に。今は大丈夫と思っていても、加齢と共にさまざまな体の変化が起こります」と丸山先生。時には家事代行などを利用して自分の時間をつくり、ストレス発散!時間の使い方も見直してみましょう。
予兆のサインかも?チェック項目の見方
「1つでも当てはまるものがあれば」と厳しめですが、予兆の現れかもしれません。ママの健康は家族の健康維持に大きな影響を与えます。チェック項目ごとの改善のポイントを参考に、簡単なひと手間が体の調子を整えてくれますよ。
*1)日本人女性における更年期障害と栄養素摂取量との関連(2008)など参照
野菜を取るためのコツ
「野菜をまったく食べないよりは」と丸山先生。
野菜の下ごしらえする時間もおしいというママのために、手軽な「野菜」の取り方をお伝えします。
ランチに野菜ジュースを
職場での昼ごはん、忙しいとおにぎりだけ、菓子パンだけになっていませんか?野菜ジュースやスムージーなどをプラスして野菜を補うように工夫してみましょう。最近はコンビニで種類豊富な野菜ジュースや「無添加スムージー」などが手に入ります。
カット野菜を上手に使う
カット野菜は栄養面でどうなの?と思っている人もいるかもしれませんが、食物繊維はそのまま残ります。キャベツの千切りのカット野菜を使い、キュウリ1 本分を切ってミニトマトを5 つほどプラスすればビタミンC やカリウムを補えます。カット野菜を生で食べるのに抵抗があるなら、お好み焼きにアレンジするなど、有効利用してみましょう。
おやつ代わりに野菜を食べる
野菜1 日350 g=ミニトマト2 パック(約30 個分)+キュウリ1 本。3 度の食事だけでなく、間食にミニトマトを食べたり、ピクルスにしたキュウリを食べるようにしてみましょう。9 月ごろまではスーパーで安く手に入るので、「コンビニスイーツ」の代わりにいかがですか?